健康に関する言い伝え

 昔から「四百四病」といわれるように病気の数はすこぶる多い。

 われわれの心身をおびやかす数多い病から何とかして逃れる方法はないものか、人間は大昔から必死になってこの問題に取り組んできた。

 どうしたら病気に罹[かか]らないか、どうしたら早く治せるだろうかと。

 その長い間の貴重な体験の積み重ねの中から生まれた生活の知恵を、短い言葉でわかり易く言い表した諺(言い伝え)。仁木町にもそれが数多く伝えられているが科学性も高く、現代の生活に生かせるものが多々ある。

病は気から
風邪は万病のもと
子供は風の子
寝る子は育つ
子供の病気は穴を見よ(口、耳、肛門、尿道、性器、ヘソなど)
夜露は身体の毒
一番風呂は馬鹿が入る
木の芽萌えるころ病人がでる
青葉は眼の薬
気候の変わり目病に注意
一病息災
頭寒足熱
早寝早起き病知らず
快食快便快眠
一に看病二に薬
腹八分目に医者いらず
口に甘いは腹に毒
鳴る腹に祟りなし
胃袋も身のうち
食い過ぎ飲み過ぎ病のもと
好きな物に祟りなし
女の腹は縮緬[ちりめん]腹
皮膚は内臓の鏡
寝汗は病気の徴候[しるし]
四十肩に五十腰
四十がったり(年令が四十代になると急に体力が衰える)
男四十五は女の四十
老化は足腰から
隠居木登り川渡り(年寄りがしてはならぬもの)
歯魔羅眼[はまらめ](年をとることの順序)
耳の遠い人は長命
満ち潮に人が生まれ、引き潮時に人が死ぬ
早く咲けば早く散る
親死ね、子死ね、孫が死ね(一家の者が死んでゆく順序)
能書き程薬は利かぬ
薬も過ぎれば毒となる
病は治りぎわが大事
心の病は神仏が、身体の病は医者が治す

出典:図書「ふるさと再発見」久保武夫 著, 仁木町教育委員会発行1991(H3).3, p136-137: 57健康に関する言い伝え --- 初出: 仁木町広報1986(S61).9

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