昔の子供の歌

隣で餅つく きねの音
きね貸しても 餅くれん
うちでもつかんせ(搗きなさい)
お父さん
姉さん せいろを洗わんせ
お守り お砂糖買うてこい
一臼 二臼 三臼 四臼 五[いつ]臼
六[む]臼 七[なな]臼 八[や]臼 九[ここ]の臼 十[とう]臼
いちもんめ

 ○

凧 凧あがれ 天まであがれ
天狗さん 風つか(下さい)
風が無かったら 鼻つか
天狗さん 風つか
あァまったら かえす

 ○

坊さん坊さん どこ行くの
あの山越えて 味噌買いに
私も連れて行かしゃんせ
お前がいったら じゃまになる
この かんかん坊主[ぼうず]くそ坊主
うしろの正面 だぁーれ

 ○

中の中の小坊さん
中の中の小坊さん
 どうして背が低いの
 親の日にえび食うて
ほんで(それで)背が低い
もっと高ァにならんせ
 うしろに居る者 だあれ

 ○

大波小波 でんぐりがやして
あっぱっぱ
お嬢さん おはいり
じゃけん ほい
まーけたら 出ましょ

 ○

あんたがたどこさ 肥後さ
肥後どこさ 熊本さ
熊本どこさ せんばさ
せんば山には 狸がおってさ
それを猟師が 鉄砲でうってさ
にてさ くってさ
 うまさのさっさ

 ○

子供と子供がけんかして(小指)
親と親が おこって(親指)
人さんのあいさつで(人差指)
中中すまんとおっしゃって(中指)
紅屋どんが酒買うて すうました すうました(薬指、紅さし指とも呼んだ)

 ○

一番はじめは一の宮
二は 日光東照宮
三は 讃岐[さぬき]の金毘羅さん
四はまた 信濃の善光寺
五つ 出雲の大社[おおやしろ]
六つ 村々鎮守様
七つは 成田の不動さん
八つは 八幡[やわた]の八幡[はちまん]さん
九つ 高野の弘法大師
十うで 所の氏神さん

 明治から大正時代にかけての子供達は、小学校での休み時間や放課後などの遊びにいろいろあったが、中でも縄とびや手まりつき、お手玉などそれぞれ組をつくって戯れることが多かった。

 遊びにリズムをつけて楽しみをもり上げていくそんな時、口をそろえて歌ったわらべ唄。その種類もたくさんあったが歌詞の中に阿波の方言が混じっているものが多い。

 それは郷里の徳島県から入植当初の人々によって伝えられたものが、その子その孫へと歌い継がれてきたものであろうと思われる。

出典:図書「ふるさと再発見」久保武夫 著, 仁木町教育委員会発行1991(H3).3, p74-75: 29昔の子供の歌 --- 初出: 仁木町広報1984(S59).2

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